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野球肘(離断整性軟骨炎)について

2018.06.06 | Category: 未分類

こんにちは!

院長の石神です

関東地方もついに梅雨入りしてしまいましたね️
こんなジメジメして蒸し暑い季節ですが、気合いを入れてこの物憂げな6月を乗り切って行きましょう❗️

さて、本日は野球少年に多くみられる野球肘(離断整骨軟骨炎)についてお話ししたいと思います。

離断整骨軟骨炎とは関節の同じところに繰り返し強いストレスが加わることで発生し、骨や軟骨の一部が血流障害を起こし、その部位が壊死したり、遊離したりしてしまう障害です。
膝や足関節などにも起こりますが、代表的なものとしては肘関節に起こる離断整骨軟骨炎が広く知られています。

野球肘は野球をするお子さんの全員に起こるものではありませんし、肘の使い過ぎだけが原因ではありませんが、(ほとんど肘を使わないサッカー選手にも起こります)比較的肘を酷使するピッチャーやキャッチャーに多く発症します。

発症の好発年齢は11歳〜14歳で上腕骨小頭という部位の軟骨が完全に骨化するまでの時期に起こるものとされています。



肘の離断整骨軟骨炎は①初期(透亮期)②進行期(分離期)③終末期(遊離体期)に大別されます。



厄介なのは①の初期ではほとんどが無症状で(痛みもなく、関節の制限がない)進行し、子供が症状を訴え始めた時には、既に②〜③の状態である事が多く、この期まで進行してしまうと手術適応になってしまうこともすくなくありません。
また、仮に①の時期に整形外科を受診し、レントゲン写真を撮っても、レントゲン写真のみで離断整骨軟骨炎を確認することは困難な場合があります。

初期のレントゲン写真では、骨質が50%以上低下したものしか変化はとらえられないので、ほとんど病態を写す事が出来ません。
しかし、エコーでは骨の表面を写す事が出来るので、初期の離断整骨軟骨炎の病態を写す事ができます。




患側(A)と健側(B)との比較

またエコーはレントゲンと違い、無害ですので、繰り返し何度でも状態を確認する事ができ、非常に安心して受ける事ができます。

症状がほとんどなくても、野球をやっていて、肘を酷使しているお子さんなどは定期的に肘の状態を確認し、保存療法が困難になりやすい分離期に移行させないような対処が必要だと思います。

当院では子供のスポーツ外傷ではエコー画像を治療の参考に用い、また必要であれば、専門医への紹介なども行っていますので、野球をしているお子さんがいる方や、一度気になるので話を聞きたい方、また、その他の場所でエコー画像をみたい方はぜひ、お気軽にお問い合わせ下さい